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そして最後の切り札が・・・


U戸彩だ。
いままでポストH末といわれた奴に、ロクなのいなかったが、今度は違う。
彼女を、完璧なポストH末として、
かつてのH末と、まったく同一の売り出しをする。


既に、レールは敷かれている。あとは、彼女がそれに乗っかるだけさ。
シングルCDしかり、「聖者の行進」みたいなシリアス野島伸司ドラマしかり、
「パパ好き」のような、ほのぼの親子喜劇しかり・・


この線って、Oスカー社長、もっともノリノリなんだよなあ。
社長自ら率先して、TV局やレコード会社に企画持ち込んでるって話だよ”


”U戸?誰ですか?聞いたことないですが・・
そんなにすごい人なんですか?H末に匹敵するほど”


”いや、たいした人材じゃあないよ。
H末やF田が出てきたときにくらべりゃあね。
ただ、いままでポストH末といわれた、ろくでもない連中とくらべりゃあ
多少はましだっていうだけだよ。
それと、ちょうど今が、H末がブレイクした年と、同じ年齢だってことで・・


だってさ、Oスカーが売り出したいタレント、って聞いただけで、
何となくわかるだろう”


”まあ、いままでの人たちを見てみれば、予想つきますけど”


”H末の売り出しを完全に踏襲して、彼女と同じように成功すれば
H末なんて、いままで言われたように
数十年にいっぺんの逸材というほど希少なものではなく
せいぜい五年に一度程度の人材だと、世間に印象付けられる。


H末ごときは、そんじょそこらに、ざらにいるさ・・ってことだね”


”はあ・・・”


”なんか信用してなさげだね。
でもOスカーが、食い込みを狙うメインターゲットは
君がいるフジじゃあなくて、TBSだからね、
このラインは、君とはあまり関係ないかもしれない”


”TBSですか?TBSといったら・・・・”



続く